Elephant in the room

.09 2013 或る物語 comment(0) trackback(0)
シャカイというお部屋がありました。
或る日突然、お部屋の中に、大きな大きな象が現れました。
人々はびっくりして、ざわつきました。
すると、偉い人が出て来てこう言いました。

「皆様、ご静粛に。いいですか、この部屋に象なんていないのです」

そして、呪文を唱え始めました。

「見えなくなぁれ、見えなくなぁれ。見えないのが当たり前、見えないのが当たり前」

「でも、そこに象がいるじゃないか!」と言う人たちも、当然いました。
その人達は、たちまち檻に放り込まれ、目に見えない象と同じ扱いを受ける羽目になってしまうのです。
だから、偉い人たちの呪文には掛からなければなりません。
やがて、“当たり前”というルールが出来上がり、「象が見えるゾウ」とは誰も言わなくなりました。
どういう訳だか、象の存在に気付きさえしない、“幸せな”人も出てきたのです。
不平不満を探せばいくらでもありましたが、それでも大抵の人達にとってシャカイは、まぁまぁ居心地がよく、特に不自由なことなどありませんでした。

しかし、予期せぬ事態が起こりました。
なんと、ずっとおとなしかった象が、突然、暴れ出したのです――――――

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by 安慈影良

*Elephant in the room――――――誰もが見て見ぬふりをしているタブーや厄介な問題を象に例えたイディオム
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Demon in chains

.02 2013 comment(0) trackback(0)
こんな画を見つけた――――――

Demon in Chains

イラン人の、Muhammad Siya Qalamという作家の作品らしい。
タイトルは『Demon in chains』
その表題の通り、鎖に繋がれたデーモン(鬼)である。

これを見つけた時、僕の中で、或る“もの”と、妙に重なってしまった。
手直しを加えつつ何度か繰り返し演らせてもらっているオリジナル作品、『ものがたり~心~』の、と或る場面――――――<角の生えた醜い男>が、殴り倒され罵声を浴びながら首に縄を掛けられ引きずられてゆくシーン……
この画のデーモンも、<角の生えた醜い男>同様、とても善良な顔をしている…不思議なシンクロニシティに思わず震えた。

しかし、よく見ると、右端の女性も化け物ではないかと思えてくる。
足や皮膚の感じを見ても、中央の“それ”とよく似ている。
明らかに、デーモンではないか!
いや、しかし、タイトルは『Demon in chains』……デーモンは単数…ということは、この画に描かれているデーモンは一人の筈………?
首に縄を掛けられ後ろ手に縛られている中央の角の男がタイトルのデーモンだとすると、この女性は?(いや、そもそも女性なのか?)
彼女は、自分自身がデーモンだと気付いていないのか、はたまた仲間を売ったのか……
いずれにしろ、とても恐ろしい存在だ。
『ものがたり~心~』本編では諸々の都合から描写はカットしてしまったが、<角の生えた醜い男>を殴り倒し罵声を浴びせる人々の顔は、やはり恐ろしい化け物のようだった。
その中には、多数派に身を置くことによって強くなったと勘違いし、自分とは違っているものを攻撃している人も居るだろう。
或いは、違っているどころか自分の中にも同じものを見てしまうからこそ恐くなり、他者を攻撃することによって己を保っている人も居るだろう。
そう思うと、余計に二つがリンクしてしまう。

しかし、作者の意図は全く知らないので、リンクしているのは、あくまで僕の勝手な想像の中でだけなのだが………




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yoosque

Author:yoosque
林勇輔――――役者
1974年5月16日(木)、疳の蟲を身体いっぱいに抱え、この世に生まれ出ずる。
<幼年期>
蟲たちは、勇輔の故郷、讃岐の民間療法により体外に誘き出され駆除されたかに見えたが、未だ体内に巣食っている模様。
<少年期>
好き嫌いが多く、この世で食べられるものが少なかった。
<青年期>
中途半端な生き方を謳歌する。芝居に出逢う。
<壮年期に差し掛かる、現在>
2012年1月12日(13日の金曜日イヴ)、突然、“声溜め”を公開することを決めた。

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