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.29 2014 ちょっとしたこと comment(1) trackback(0)
9月の月一イベント『オニケン~鬼ヶ島研究会~』で使う小道具を探していたときのこと。
その小道具とは、猿のぬいぐるみである。
なぜ必要だったのかは、イベント内容を説明しなくてはならなくなるので割愛。
タイトルからも概ね想像つくだろうし……

先ず、見当を付けた玩具屋を回った(僕は、足で探すのが好きである)
しかし、どの店にも猿のぬいぐるみは無い。
というか……市場で販売されているぬいぐるみのほとんど(否、全てといってもいいかも知れない)が、キャラクター商品なのだ。

キャラクター商品とは、
①人気アニメのキャラクターだったり、
②ゆるキャラだったり、
勿論、
③あの猫の会社と
④ネズミの会社
が出しているキャラクターもののことである。

どの店も、販売しているのはこの4つのカテゴリーである。
僕はとある玩具屋で、店員さんにこう尋ねた。

「オーソドックスな猿のぬいぐるみを探しているんですが、ありますか?」

丁寧な対応で調べてくれた店員さんからの返答は、

「オーソドックスなぬいぐるみの販売フロアは1階なのですが、猿のぬいぐるみは置いてないようです」

なるほど……1階と言えば、エントランスを入ってすぐのフロアのことである。
その店に入ってすぐ、そのフロアは隈なく見たのである。
しかし、そこにはキャラクターものしか無かったので、2階へ上がったのだ。
2階にもキャラクターものしか見当たらなかったので、件の店員さんに尋ねたのだった。

もう既に数件回った後だったので、多少落胆しながらも、仕方ないので店を出ようと1階へ降りていった。
そして、エントランスを出かけたその時、ふと思い出したのだった……オーソドックスなぬいぐるみのコーナーを、このフロアで見つけられなかった自分を。
次の瞬間、何者かの見えない手によって、意地悪ゆーすけ君のネジが巻かれたのだった。
この見えない手の持ち主は、まるで子供のように無邪気で残酷である。
その子が玩具を手にしてしまったのだ!!
その子が言う――――――

本当か?本当なのか、店員よ!本当にこの店にはオーソドックスなぬいぐるみがあるんだな?猿が無いのは得心した。しかし、店員よ!オーソドックスなぬいぐるみの売り場は1階だと言ったな?つまり、この店には、オーソドックスなぬいぐるみを販売しているということだ。そうなんだな?いいだろう、ならば確かめようではないか!!!

意地悪ゆーすけ君は、見えない手によって180度向きを変えられた。
そして、再び店内へ戻り、1階フロアを回り始めたのである。
一周、二周………
ネジは勢いよく戻ってゆく。
三周………………
動きがだんだん鈍くなってゆく……


――――――無い…どれもこれも、キャラクターものではないか………



そして、とうとう、意地悪ゆーすけ君のネジは戻りきってしまった……

う~む、これはどういうことだろうか。
世間のオーソドックスとは、キャラクターもののことなのか…?
昔からそうだったか……?
否、僕が小さい頃、確かにオーソドックスなぬいぐるみがウチのおもちゃ箱にはあった。
姉のお気に入りのパンダのぬいぐるみは、ヒーコちゃんと言った。
命名は、勿論、姉である。
あの頃、名も無きぬいぐるみ達は、持ち主によって命名されたのだ。
そう!命を吹き込まれたのだ!
命を吹き込まれた彼等は、性格を形成し始める。
だから、例え近所の子と同じぬいぐるみを持っていても、自分のを見分けることは簡単だった。
何故なら、名前が違うから。
それが今のぬいぐるみ達はどうだ!
最初から確固たる名前があり、キャラ(性格)までしっかり備わっているではないか!!
勿論、僕が子供の頃からキャラクターものはあった、でも…でも……
おい、店員よ……くっぐぐぐゎっく……………
………
……
…しかし、店員にそんなことを訴えても仕方がないことは判っているのか、見えない手は、もうネジを巻かないらしい………





なんだか少し寂しい気持ちを抱え、僕は店を出た。
その後も散々探し回ったが、オーソドックスな猿のぬいぐるみは見つからず……
しかし、諦めかけていたその時――――――灯台下暗しとはよくいったものだ。
近所の商店街にひっそりと在る、輸入おもちゃを扱うお店でとうとう見つけたのだった!
その時の興奮たるや!
やはり、名も無き真っ新なぬいぐるみは、まだ存在したのだ!
日本のものではないことに、一抹の不安と落胆を感じるが、地球上のどこかでは生産されているわけだ!!
そんな人類にはまだ希望があるのかも知れない!

やっと出逢えたその子に、僕は名前を付けた。




命名 「さる」





だって、ゴリラだったから……





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yoosque

Author:yoosque
林勇輔――――役者
1974年5月16日(木)、疳の蟲を身体いっぱいに抱え、この世に生まれ出ずる。
<幼年期>
蟲たちは、勇輔の故郷、讃岐の民間療法により体外に誘き出され駆除されたかに見えたが、未だ体内に巣食っている模様。
<少年期>
好き嫌いが多く、この世で食べられるものが少なかった。
<青年期>
中途半端な生き方を謳歌する。芝居に出逢う。
<壮年期に差し掛かる、現在>
2012年1月12日(13日の金曜日イヴ)、突然、“声溜め”を公開することを決めた。

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