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つい先ほど、と或る近所のカフェにて珈琲ブレイク中のこと。
隣の席から、不愉快な音が聞こえてきた。
二つの音が、高低をつけながら交互に、時にはユニゾンで僕の耳を襲ってきた。
眉間に皺を寄せ、そちらに目をやると、老夫婦が仲良くパスタをすすっている……
なんで、パスタだとこの音が不愉快に聞こえてしまうのだろう。
ここが蕎麦屋かうどん屋なら、不愉快どころか、食欲をそそる美味しそうな音に聞こえるのに。
同じ『麺』ではないか。
味噌汁とポタージュスープや、緑茶と紅茶にも同じ矛盾が起こるだろう。
同じ『汁』だし、同じ『茶』ではないか。
ロンドンにいる頃、ジャパニーズ・ヌードルが食べたいという友達に、我が故郷、うどん県が誇る麺を振る舞ったことがある。
慣れない手つきで箸を握り、やっと掴んだ一本のうどんを唇で手繰り寄せるように食べているオーストラリア人に、
「音たてろ!」
と云ったのを思い出した。
顔を赤らめ、果敢にもチャレンジしてみたものの、麺より空気を大量に吸い込んでしまった友達を見て、うんうん、と満足気に頷く僕がいた。
音をたてずに食すうどんなど、美味しさが半減以下になってしまう気がする。
しかし、パスタはその逆―――――――
同じ『麺』ではないか。
同じ麺に対して全く違う感覚を催してしまう僕の中では、今日も矛盾が跋扈する。
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