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コドクの穴

.30 2012 或る物語 comment(0) trackback(0)
ある日、コドクの穴に落っこちた人と出逢った。
その人が、あんまり穏やかな顔をしているので、僕は尋ねてみた。

「コドクの穴に落っこちたのに、なぜ平気なの?」

すると、その人は不思議そうな顔をして、云った。

「私は、この穴に落っこちたんじゃない。
生まれた時から、ずっとここに居るのさ。
あんただって、そうじゃないか?」

僕は、ドキリとした。
何故かは、解らない。

「そりゃね―――――」

コドクの穴に落っこちた人は、ゆっくりと話し続けた。

「なんて寂しい処なんだって感じた時もあったよ。
あんたみたいにね。
おまけに、この穴には、弧毒という毒虫が棲んでいる。
それは、虚栄針や自尊針、警戒針や猜疑針、恐怖針に……
いやいや待てよ、意地っ針というのもあったなぁ。
ま、数え出したらキリがないんだが、
とにかく毒の針を無数に持っていてね、
心をチクリと刺すんだ。
すると、毒虫の猛毒は、あっという間に心いっぱいに広がり、
寂しくて寂しくて、死んでしまいそうになるんだよ。
あんたは、どの針にやられちまってるのかな……?
まぁ、そんな針なんてポキッと折っちゃえば、実はなんてことない。
あんたんとこの穴だって、居心地が悪いわけじゃないって分るだろうよ。
ただ―――――今は、辛いよな。」

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by 安 慈影良
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Author:yoosque
林勇輔――――役者
1974年5月16日(木)、疳の蟲を身体いっぱいに抱え、この世に生まれ出ずる。
<幼年期>
蟲たちは、勇輔の故郷、讃岐の民間療法により体外に誘き出され駆除されたかに見えたが、未だ体内に巣食っている模様。
<少年期>
好き嫌いが多く、この世で食べられるものが少なかった。
<青年期>
中途半端な生き方を謳歌する。芝居に出逢う。
<壮年期に差し掛かる、現在>
2012年1月12日(13日の金曜日イヴ)、突然、“声溜め”を公開することを決めた。

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