片を付ける

.10 2012 ちょっとしたこと comment(4) trackback(0)
ひとつ、10年以上共に在ったものを、処分した。
数日前に書いた『齢を重ねるもの』に、ロンドン時代最後に住んだ部屋の写真がある。
そこに写っている、お気に入りのラグに、お別れを云ったのだ。

帰国する時、殆どのものを、教会のチャリティーリサイクルショップに寄付した。
そう云えば、渡英する前も、沢山のもの達とお別れをしたのを思い出す。
僕は、節目節目に、自分の居場所を形造ってくれていたものを、片付けてきた。
文字通り、過去に“片を付けて”きたように思う―――――次へ進む為に。

しかし、次なるステージにも連れていくものが、当然、ある。
このラグは、そんなもの達のひとつだった。
自分好みの、落ち着ける空間創りの、重要な担い手だった。
だから、ロンドンから連れて帰ってきたのである。

ラグマットは、常に、踏み拉かれる役割のものだ。
その齢の重ね方には、痛々しいものがある。
全体的に色褪せ、
両辺のフリンジは千切れて無くなり、
起毛は擦り切れ、
食べこぼしの染みがあり、
震災時には、崩れてきた物の下敷きとなっていた。

もう、見送ってやるべきだろう……と思った。
役割は、十二分に果たしてくれたのだから。

そして、新しいラグマットと出逢い、部屋に迎え入れた。
随分と、部屋の印象が変わったもんだ―――――悪くない。

またひとつ、自分の過去に、片を付けた。

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comment

佳奈子
渋い歳の重ね方した勇ん家の素敵ラグと違って、家のは4つのモシャモシャ達にかじられた傷跡のみで新調されて行くんだから、まさに痛々しいわよ(^O^;)
食べこぼ暇もなく…
2012.07.10 23:43
kn
新しい風が吹いてきたような思いがしますね。

前回の写真を改めて見て気づいたんですが、私、林さんの字も好きです。
2012.07.11 11:30
No Name
方を付けるは物をかたずけると前へ
行くために自分の周りに方を付ける
事なのですね天から降ってきた言葉
です
2012.07.11 18:10
cotidiano
またぜひ新しいラグ写真UPしてください!!!
2012.07.11 23:18

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Author:yoosque
林勇輔――――役者
1974年5月16日(木)、疳の蟲を身体いっぱいに抱え、この世に生まれ出ずる。
<幼年期>
蟲たちは、勇輔の故郷、讃岐の民間療法により体外に誘き出され駆除されたかに見えたが、未だ体内に巣食っている模様。
<少年期>
好き嫌いが多く、この世で食べられるものが少なかった。
<青年期>
中途半端な生き方を謳歌する。芝居に出逢う。
<壮年期に差し掛かる、現在>
2012年1月12日(13日の金曜日イヴ)、突然、“声溜め”を公開することを決めた。

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